フロースラントの魔法屋さん 開発記3

前回の続き。

調合

・基本設計
プレイ時間を長くするつもりもないし、
アイテムをたくさん考えるのは大変なので、15個にした。
選択肢としては少々多いが、錬金レベルアップ目的で1回だけ作るものや
後半は作らなくなるものが出てくるから、
大きな問題にはならないだろうと判断した。

同じ商品をアップグレードしていく方式も考えたが、
面白くなるか全く見当がつかず、
試行錯誤する時間はないと判断して今の形になった。
変更の余地が大きいので色々試してみたい。

アトリエには中和剤のような、そのままでも換金できるが
他のアイテムの材料にもなる中間生成物が存在したが、
中間生成物も含めた素材消費量と
所要日数をいちいち計算するのはだいぶつらいので、
簡単のために排除した。

素材は当初5つだったが、
後半用の上位素材を作ったので10種類になった。
あまり納得はしていない。
できればもう少し抽象化して5個以下に収めたい。

・開発初期から変更した点
当初は、調合の所要日数が1個単位だったが、
複数作っても同じ日数で作れるようになった。
これによって素材を溜めてから一気に作成が強くなった。

開発後半で、調合中は店を開けられない仕様にしたので、
調合にかかる日数を全体として減らすためにこのような仕様とした。

「魔力の水大量生産のために素材を溜める」といった
小さな目標が発生するようになり、
細かい単位で達成感が感じられるようになった点がよかった。

一方、日数を本家同様1日単位にしてしまっていたせいで、
所要日数と同時作成数の設定はだいぶ苦しんだ。
締め切りが迫っていたからそのままにしたが、
時間があったら1週間単位にするとか、
一か月ごとに与えられるアクションポイントを
消費して行動する形にしたと思う。

何も考えず1日単位で設計してしまったことが
あちこちに影響していて、悔やまれる。
当初はプレイ時間1時間くらいにするつもりが、
3時間越えになってしまったのも大体これのせいである。

 

採取

採取パートはかなりルールデザインノートを参考にしている。
ボードゲームデザインの話題が多い本だが、
判断重視のゲームを作りたい人にはおすすめ。

・基本設計
直接的にジレンマを導入するために、冒険者レベルを設定した。
規定のレベルに達していないと採取量が減るため、
後半の採取地にはレベルを上げてから派遣したい。
しかし、レベルアップは後半のほうが圧倒的に大きく、
収穫ゼロでもレベルアップ優先で行く作戦もある。

最初の森でレベルが一切上がらないのは、意図的にそうしてある。
序盤に森担当にしたキャラはレベルが上がらないので、
どこかで意図的にレベルアップさせる必要が出てくる。
湖で素材を取りつつ少しずつ上げるか、
金を払って後半の採取地で大きく上げるかの選択肢があり、
これは時間と金のどちらが貴重か判断する選択として
デザインしたもので、結果として十分機能していると思う。

レベルアップボーナスは、
特定レベルで何か入れておけばレベルアップの価値が
変動するようになるだろうと考えて雑に入れた。
レベル100で採取量が2倍になるので、
レベル70のときの+10より
レベル90のときの+10はだいぶ価値が高い。

規定値でボーナスを与える仕組みは
どんなゲームにも組み込みやすく、今後も使っていける。
今作で一番大きい収穫かもしれない。

・冒険者の所持金
冒険者の所持金というシステムは後から追加した。
カードゲームの「ナショナルエコノミー」を
参考にしている……というか、かなりそのまま。
後付けなのでテーマとの整合性はあまりとれていない。
冒険者以外に客が来ないのは不自然という指摘もあり
全くその通りだと思います。

所持金の概念を追加したのは、
第一に同じアクションを連発させないためである。

開発初期は冒険者の体力が存在した。
冒険に行くと体力が減り、疲れていると依頼を受けてくれない。
ただし友好度を消費すれば頼める……といった感じである。
単にプレイヤーの行動を制限するだけで面白くない。
依頼を出さず待機させるメリットを作れないだろうか?

これは所持金の導入で一応解決した。
冒険者は客としてプレイヤーの店に来る。
かつ、商人に売るより高い値段で買ってくれるので、
所持金の多い冒険者はあえて依頼をせず待機させ、
買い物に来てもらうという選択肢が出てくる。
冒険者の財布と在庫状況によって
待機アクションの価値が変動するようになり、
採取か待機か迷う場面が生じるようになった。

プレイヤーの払った報酬が冒険者の懐に入るので、
高額依頼を出せば高額アイテムを買ってくれるようになるし、
報酬を値切ると冒険者の金が増えないので
売れる商品も少なく、安いものに限られる。
といった感じでアクションの影響が思わぬところに出てきて
挙動の複雑さアップにも貢献している。

・資源としての日数
自分で採取に行かないシステムにしたせいで、
資源としての日数が主人公+冒険者4人分に増えてしまった。
そのせいで、まともに最高効率を追求すると
日数管理が相当しんどいゲームになってしまった。

ゲーム内時間を1日単位にしてしまったせいだと考えている。
週単位とかで成立するように設計した方がよかったかもしれない。
あるいは本家同様、自分で採取に行くようにすれば、
自分一人のスケジュールだけ管理すればいいので
もっと楽になるはずである。

 

販売

安いが確実に売れる商人への卸売と、
高く売れるが、売りたい物が売れるとは限らない小売で
対の選択肢になるように作った。
が、今回はあまりいいアイデアがなく終盤まで迷走した。

当初は商人にも友好度があったりしたが、
意図的に上げたり、友好度を消費するアクションを思いつかなかったので、
「安いが確実に売れる」という当初の機能だけ残しばっさりカット。
調合システムで同じアイテム大量作成の効率をアップしたので、
あるところで効率が頭打ちになるように、
同一商品を売れるのは1回につき5個までの制限を付けた。
これで複数種類のアイテムを作ることにも
ある程度メリットが出てくるはずである。

小売は小売で「友好度が高いほど来店頻度が多くなる」システムのため、
ランダムの幅が大きくなりすぎてあまりうまくいっていない。
序盤は友好度が低いので、店を開けても来店してくれる確率が低く、
終盤は商品が増えるので、買ってほしいアイテムが売れる確率が低い。
中盤は友好度も十分上がり、商品数もまだ少ないため、
まだ活用できる範囲に収まっている。

何人かのプレイヤーに聞いたところ
中盤の資金稼ぎと友好度アップに使えるという話だったので、
卸⇒小売⇒卸と進行に従って有効な作戦が変化するということで、
及第点のシステムになったと考えておく。

金がなくなるとゲームオーバーなので、
商品⇒金の変換はある程度確実に出来ないと理不尽ゲーになってしまう。
できればもっとランダムの幅を狭くするか、
いっそ小売はなくしてしまうという方向も考えたが、
小売がなくなると友好度の使いどころがなくなってしまうため、
結果そのままになった。

次を作るとしたら、販売パートはもう少し考え直したい。
全体的に、シンプルに作ったつもりで結構要素が多くなってしまった。
友好度はキャラクター要素を入れる面で都合がよかったので残したいが、
消費型リソースにすると使う場面を作らなければならないため、
冒険者レベルのように上がるだけのパラメータとして、
一定の値を超えたらボーナスを与えるやり方がいいだろう。

 
次回はアイテム設計の話を予定してます。

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