シナジー設計の話

ローグライク的な、判断重視でランダムな環境生成を採用しているゲームでシナジーを意識した効果を作ろうとして失敗した話

ロードライトフェイスを発展させてグレナサクリファイスを作った時に武器アイテムに色々な効果を付けた。そうしたらいくつかシナジーが発生するものができて面白かった。

そういうわけで次回作の開発中バージョンではシナジーを意識した効果を多く持たせた。ところがこれは、あまり上手くいかなかった。全部を実装したわけではないが、アイテムを拾ったり、店に並んでいるのを見た時点で「どれも強くなさそう」に見える。

何故か。
シナジーを意識した結果、特定のアイテムがなければ効果が全くない、または効果が弱いものを多く作ってしまっていたのが一因である。
例えば「クリティカルすると敵のHPを吸収」する武器があったとして、クリティカル率を一時的にでも高める手段がなければ有効活用できない。そして都合よく噛み合うアイテムを持っている確率はあまり高くないので、「どれもあんまり使えなさそうだなぁ」という印象になってしまう。

持っていけるアイテムが限られる場合にゴミの中から一番使えなさそうなアイテムを選んで捨てるのは苦痛である。どうにかして、全部強そうだけど持ちきれないので泣く泣く1個捨てる、という風にしたい。なおかつ、単に数値がでかいものはあまり作らずに済ませたい!

これの解決策は大きく2つあると考えていて、

一つは、いつでも選べる選択肢と組み合わせられるようにすることである。
先の「クリティカルすると敵のHPを吸収」であれば、キャラクターの成長でクリティカル率を上げられるようにするなどが考えられる。ここはランダムを入れるとしても、一部のアップグレードがランダムで安くなるとか、6つのアップグレードからランダムに選ばれた5つの中から選択とか、幅の狭いランダムにとどめておく。

そうしておけば、「この武器は今は微妙だが、次の成長でクリティカル率を上げるスキルを取れば強くなるはずだから買っておこう。それまでは手持ちのアイテムでしのぐ」という風に、今は価値が低いアイテムを後で使うために温存する選択肢が出てくるはずである。ある程度先の計画が立つという点で見ても好ましい。計画がなければ嬉しい誤算も読み間違いもなく、単に目の前の状況に対処するだけになってしまうからである。

もう一つは「対象範囲の狭い効果を単独で持たせない」というものである。
「クリティカルすると敵のHPを吸収/持っていると魔力+1」のようにいつでもプラスに働く効果とセットで持たせることで「魔力+1は単独でも役に立つから持っておこう。もしクリティカル率を上げるアイテムが出てきたら優先的に取ろう」という判断ができるようになり少しは楽しくなる。

グレナサクリファイスでは、「持っていると特定の属性攻撃によるダメージを2倍にする」効果を持つアイテムがいくつか存在していたが、対象の属性武器がないと全く無意味だった。当然ながら、たまたま属性武器を持っていた場合以外はあまり使われなかったのだが当時はその理由がよくわかっていなかった。なんか弱いなぁとは思っていた。

唯一使いやすかった属性強化装備は「持っていると防護点+3、魔力+1、氷属性攻撃2倍」といつでも嬉しい効果がついていて、氷属性武器がなかったとしても十分強かったので比較的よく使われたと思う(少なくとも属性強化装備の中では一番強かったはずである)。

基本的には固定選択肢と組み合わせられるようにする前者の方法で対応し、数値を変えずに強さを調整したいときに後者の方法を使うとよさそうだ。

シナジーを意識しすぎてはまるパターンは「多様な状況を作り出すためアイテムをたくさん作ろう!」と制作者が頑張ってアイテムの数を増やせば増やすほど噛み合うアイテムを偶然持っている確率が下がっていき、つまらなくなっていくので、気が付かないと抜け出せないループに陥る危険がある。怖い。

ローグライク(っぽいゲーム)はランダムな環境生成が特徴なのでどうしてもそこに力を入れたくなってしまうが、拡張するなら完全に固定の選択肢か、狙った物が引ける程度に、総数が少ないランダム要素を増やしていった方がゲームが安定すると思う。振れ幅の広いランダム要素が複数存在するとバランスが非常に不安定になる。

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